官製ワープア第2回 大阪集会・川柳入選句発表

 課題吟「安倍首相」、および自由吟を公募しました。
 投稿者65名、課題吟「安倍首相」が114句、自由吟が127句の、総計241句でした。

全応募句・課題吟「安倍首相」(PDFファイル)
全応募句・自由吟(PDFファイル)

総評:
 課題吟では、アベノミクスという新語を茶化したいという意識が皆さん強かったのでしょう、ダジャレで処理をしようとして、結果的にはうまくいかなかったようです。表面的な言葉の洒落より、本質をえぐる句を期待したいところ。
 自由吟で驚いたのは、大阪集会での川柳であるにもかかわらず、大阪市長を皮肉った句などが一切なかったということ。これは不思議でした。川柳の公募は全国区とはいえ、大阪人はもう橋下に慣らされてしまっているのか、それとも川柳にする価値もない人物とみなしているのか…。

 以下斗周選の入選句と寸評です(各天地人+佳作3句)。

課題吟「安倍首相」

  返り咲きしたと思えば狂い咲き      十六夜

・第一次安倍内閣からまさかの返り咲き、それが唖然とするばかりの狂い咲き。「返り咲き」と「狂い咲き」を対にして、安倍内閣の実相をズバリ指摘した。


  官僚は総理のん気で留守がいい      四迷亭

・「亭主元気で外がよい」のパロディ。官僚にとってはまことに扱いやすい総理なのだろう。まさにアンダー・コントロール。


  安倍さんの胃痛この頃期待する      クジラ

・第一次安倍内閣は腹痛で終わった(ということになっている)。庶民が期待するのは2回めの腹痛。その程度の宰相。

佳作
  尊敬デス病気と仕事日々共生       尻餅

・「病気」を常軌を逸した右傾化政策そのものと解釈した。ほんとによくやるねぇと皮肉の一句。

  安倍男雛五人官女を侍らせる       春爺

・安倍のにやけ顔が浮かんでくるような句。本来三人官女だが、五人官女。しかし4人になったりフラフラ。

  ハルカスにはるかに劣る安倍はカス    世直士

・安倍と阿倍野ハルカスをひっかけての狂句で洒落のめした。リズム、口調が秀逸。

自由吟


  奴隷ではないと手足が叫びだす      白眞弓

・ストレスが極端にまで高まると、自分では精神的にしっかりしていると思っていても身体に変調をきたす。心身症。手足が叫びだすと表現したところが見事。


  スーパーのチラシで夢を食べている    十六夜

・切ない句。満艦飾のチラシを眺めて気持ちだけ満足させ、自分は賞味期限切れ寸前のわけあり商品を買って日々暮らすのだろうか。


  後悔をして欲しい人いますよね      山縣敏夫

・とぼけた口調。読んだ人のそれぞれの頭のなかに、後悔させたい人物の顔が浮かぶ面白さ。

佳作
  年金に早く逝けよと急かされる      クジラ

・同想句はあったが、この句は年金を擬人化して表現。川柳の技。

  元部下にゴマをスリスリ再雇用      白眞弓

・以前の部下に揉み手をする屈辱的な様子がリアルに浮かぶ。「ごまをスリスリ」の部分に口調を揃えるための作為が見えるのが惜しい。

  今日もまたハローワークで顔が合い    氷川の杜

・今の状況を描いた句。ただしこの句の発想自体は新しくない。高齢者川柳ならハローワークの代わりに病院とすれば似た句ができてしまう。もう一ひねりあればいいのだが。

(報告:正木斗周)