2017年10月句会報告

 10月18日、レイバーネット川柳班の定例句会が開かれました。投句者21名で、兼題に53句、自由吟に60句の投句がありました。
 句会参加者13人(うちメール参加4人)が、兼題、自由吟を各3句ずつ選びました。折からの選挙・政治の激動にからむ句が多数ありました。まさに川柳の出番という感じです。
 また、ひさびさにドイツの独狼さんから投句があり、大活躍でした。
 12月レイバーフェスタでは例年どおり「2017年をふりかえって」の句を公募します。詳細は別途。

 次回句会はこちら

 

<兼題=知る>(53句)
●4点句(1句)
月末が近いと分かる腹の虫       独狼
→ユーモアとペーソスがある。ワープアの気持ちか。「分かる」と「知る」は違うかも。既視感あり。もっと「今」を出してほしい。

●3点句(5句)
国難は安倍と小池と知りました     一志
→そのまま。「・・・安倍は小池と知りました」もアリ。
夜仕事の奴隷が知らぬ日の光      独狼
→夜間働く人が多くなった。「働き方改革」とは無縁の労働者が国を支えている。いつの時代にも通じる句、今日性がほしい。
平和賞知ったことかとシカトする    なずな
→タイムリー。一番話題にすべき国なのに。「シカト」と「知ったこと」をかけて川柳的。
恥を知る党に一票投じたい       奥徒
→まっとうな人々の素直な気持ち。恥を知る政党なんてあるんかい。
地位協定が憲法よりも上と知る     木根川八郎
→上五の「が」をとったほうがいい。大きな問題をうまく料理した。

●2点句(4句)
知らぬ間に巻き上げアメで恩に着せ   中仁也
→税金の巻き上げか。いろいろな政治状況に当てはまる。特定する要素がほしい。
道説くか熱き民意を知りもせで     斗周
→与謝野晶子の本歌取り。格調が高い。流れがいい。
フクイチに消えたあの人知らないか   おりじゅん
→行方の分からない人がたくさんいることへの問いかけ。
黒塗りの闇にさまよう知る権利     奥徒
→「のり弁」よりいい。「闇」と「さまよう」の表現がぴったり。

●1点句(12句)
アベ坊の繰り言稲穂のみが知る     白眞弓
→第一声は福島の田んぼの前。皮肉がおもしろい。
磁気爆弾伝書鳩が第一報        白眞弓
→アナログの伝書鳩しか手段がない。「・・・鳩が知らせる第一報」の方が落ち着く。
薄めては知らぬが仏除染ゴミ      笑い茸
→ホットスポットさえなくなれば。
足るを知る貧困社会の痛み止め     混沌
→「足るを知る」なんて言葉にだまされてはならない。
知らぬ間に戦時体制苦い過去      なずな
→まさに今の状況。
疑似餌とは分かっていても飢える腹   笑い茸
→嘘とわかっていても飛びつきたくなる。希望のなさ。
原発ゼロ再稼働には知らんぷり     一志
→小池さん
マイナンバー何に便利か気づかせず   笑い茸
→最近は、戸籍と結ぼうとしている。
この国を知らねば国を変えられず    乱鬼龍
→自分の国をよく知る人は稀有。
知る権利権力者ほど口にせず      春うらわ
→そのとおり。
人民を知らないままにする政府     言奈地蔵
→知らせずなんでもやる怖さ。
敵を知り己を知れば逃げるのみ     斗周
→逃げるが勝ち。とぼけた味がいい。

◎乱鬼龍選
アベ坊の繰り言稲穂のみが知る
マイナンバー何に便利か気づかせず
地位協定が憲法よりも上と知る

*選外
情報化真の知識はわからない
真相を知らないほうがはばきかせ
安倍の友知れば知るほど腹が立つ
無知の罪知ることからまず始めよう
死ぬまでに知らずにいること星の数
足るを知る無縁な人ほどのし上がり
知らせないこれが選挙に勝つ秘訣
辺野古基地工事一兆知らぬ人
知らんから自民に入れるあんたアホ
身を切ると知らん人らは維新かい
知る権利避難の権利封じ込め
雄弁な嘘が真実ウソに見せ
加計疑惑みんな知ってるアベ関与
秘密法ページほとんど塗りつぶし
知ることが民主主義の第1歩
地震予知ハナから無理とわかってた
後で知る選挙は嘘のつき比べ
世の中を知れば知るほど嘘ばかり
ポピュリズム知るや知らずや皆の衆
知の果てに無限に広がる無知の闇
知の灯かかげて歩む無知の原
知る権利踏みにじられる安倍政治
足るを知る商売人が言うなよな
人間性知るに便利な総選挙
前原と小池の陰謀知らないか
あれ以来いつも後ろを振り返り
本屋でははなだウィルス大あばれ
知る権利のり弁の束で金取られ
知る権利をシャットアウトの秘密法
真実は二枚の舌が知っている
知ってるよ緑が隠す排外を

<自由吟>(60句)
●4点句(1句)
希望あり踏み絵を踏まぬ人たちに    一志
→「希望」「踏み絵」のキーワードをうまくまとめた。暗い句が多い中で、ひかった。

●3点句(2句)
そんなにも気安く踏むな踏み絵言う   おりじゅん
→「踏み絵」の擬人化が川柳的。
排除するその一言で風がやみ      なずな
→ビシッと決めた句。ずばりその通り。

●2点句(7句)
すり寄って女城主にコケにされ     奥徒
→「女城主景虎」と小池を重ねた。
東京都知事いなくても回りそう     春うらわ
→軽くて、川柳的。
思想信条捨てて就活まっしぐら     斗周
→学生も民進党も。
ファーストにあなたリセットしてみたい なずな
→新鮮なネタで料理した。ファーストをまず最初にの意味に引っ掛けたのは秀逸
新党の推薦図書は蜘蛛の糸       一志
→・・・ほんとうにそうだったりして。
名も実も持参金まで吸い取られ     八金
→民進のドタバタをうまく揶揄。前原ってつくづくあほだね。
まっとうな政治をつくる風となれ    乱鬼龍
→自然体がいい。

●1点句(15句)
被爆国ICAN notとアベ政権     へらずぐち亭誤字脱字
→一番、ホット。「と」はいらない。
左でも右でもないと右で言い      中仁也
→小池のこと?
舌二枚使って議員 職を得る      斗周
→ウソまみれの候補者に喝。
ホヤホヤの時事川すぐに鮮度落ち    笑い茸
→今回の実感。
核武装めざす百合子がゼロを言い    なずな
→百合子ばかりでなく、政治家の本質。
選挙前だけは福祉でやかましい     中仁也
→弱者にとっては一年中選挙期間であってほしいかも。
資源ない小さな島の大日本       笛P龍
→「大日本」がおもしろい。大日本帝国の実態。
この国を変える責務に充ちて秋     乱鬼龍
→この通り。「責務に充ちて秋」がいい。
死に場所を求めた帰還店もなし     おりじゅん
→フクシマ。帰還者の絶望は深い。
さらさらとこんな人たち落としてく   白眞弓
→小池と安倍の「名言」を使った。流れ、リズムがいい。
誰もいないとこなら演説できる人    斗周
→安倍のこと。
鼻息も荒く希望のシャボン玉      笑い茸
→「鼻息」と「シャボン玉」を希望でつないだところがミソ。
厚化粧はがれてばれる黒いしみ     やせ蛙
→小池の化けの皮がはがれた。「厚化粧」「しみ」の表現は差別につながることも。
そういえば迷彩服に緑ある       白眞弓
→発見の句。なるほどと思わせる。「ある緑」にかえたほうが落ち着く。
希望などさらさら無いがすぐにばれ   奥徒
→その通り。

◎乱鬼龍選
東京都知事いなくても回りそう
そんなにも気安く踏むな踏み絵言う
ファーストにあなたリセットしてみたい

*選外
周りみな利権大事の投票だ
あの人も反対側に投票か
凍結ですべて無に帰すツイッター
金木犀タバコのにおいで台無しだ
金の縁きんえんじゃないか間違えた
誰がために私腹でメタボの議員に入れるか
山形のほの暗さ良き映画祭
基地原発モリカケ隠し解散か
大阪の市営交通一億円
公明が不正で席を取り続け
本性を解散選挙が炙り出し
規制委の後押し受けて再稼働
足元は隠し北には勇ましい
失政を晋三言うに道なかば
使い道あとから決める消費税
アラートで暴支膺懲呼び起こし
選挙戦北の脅威を当てにして
怖ろしや安倍と小池がめざす国
天翔ける北核手が出ぬ日韓米
アラアラーと北核飛んでく上の空
妖怪の孫が総理をやっている
戦中の核開発がブーメラン
朝鮮の掃海自衛隊起源
公約はリセットします選挙後に
投票日草葉の陰で爺嘆く
乞食前相場師の靴ピカピカと
秋空に刺客が降りる落下傘
父急死足元不明母ひとり
国民にウソをついたら安官倍(アッカンベー)
抑止力煽ってアンダーコントロール
当たらぬミサイル落ちる飛行機リボ払い
体重計妻が乗るのは食事前
満足の隙間が愛を探してる
寅さんの口上聞くと明日を向く
在日の怒り刺さりてスマホ閉じ

(報告:なずな)