2018年5月句会報告

川柳班5月句会は、5月31日池袋エポック10(としま産業振興プラザ3F)で開かれました。今回は、23名の方から兼題「目/眼」に58句、自由吟に64句と、本年最多の句数が寄せられました。参加者は9名+メール参加4名、計13名とこちらも大勢でにぎやかに兼題、自由吟各3句ずつを選びました。初めて投句された方が2名、久しぶりの方もいらっしゃいました。
兼題は4点句、自由吟は6点句がトップでしたが、1点句が兼題の20句、自由吟の16句とばらけました。兼題の「目/眼」は、易しそうで「川柳」にするのも「時事川柳」にするのも苦しかったという声も複数ありました。言葉のとおり、川柳にまでもってくる前の、「そうですか」「そのまんま」のものが見られました。
以下、句会の結果です。

目/眼(58)

●4点句(2)

目を塞ぐその手がかつて首を絞め     笑い茸
→情報隠蔽、言論封殺の本質をえぐって共感。一方で、解釈で意見が割れた。「かつて」を「やがて」とすればまた別のイメージになる。

すっぽんぽん見られてもまだ王の椅子   斗周
→「裸の王様」を面白く表現している。「すっぽんぽん」が少し品がないかな?

●3点句(2)

どんな目にあってもアベを守らされ    芒野
→きょう日の役人は、まな板の上にあげられても下僕を強いられる。
日本の役人は、哀れだ。

ウソの数増えた分だけ眼が泳ぐ      一志
→役人の目を言っている。着想はいいが、増えるたびではないか。

●2点句(4)

人の目をしていた二十歳の記者会見    春うらわ
→日大のアメフトの選手のこと。隠ぺい蔓延している現在、真相を語った彼は真のスポーツマン。中八なので、中句の「していた」を「してた」にしたら? 1字をどうするかで、句が大きく変わる。

辺野古海抱く仲間の目は優し       おおとり
→希望がある。辺野古で闘っている仲間に共感。

ふしあなの総理に付けよ盲導犬      八金
→目の前のものが見えない、見るべきものを見ていない安倍さんを正しい道に導いてほしいという意味。盲導犬は、主人の言うとおりに動くものだし、表現に対して問題視する意見もあった。

目が点にまたも出ました新証拠      白眞弓
→いつまでも「証拠」が出てくる。またも出ました……の講談調がおもしろい。

●1点句(20)

支持率が上がり目の前暗くなり      なずな
→自分の心境と一致。

築地から追い立て魚の目は泪       奥徒
→魚の目線を表現したのがいい

歴史いま動いていると目を凝らす     なずな
→まったくその通りで共感する。

心眼を磨く他無し情報過多        白河真舟
→日本のインチキぶりを喝破。

見限りの潮目読んでる党の内       斗周
→変わるかもという希望のある句。

目を掛けておだててたっぷり武器買わせ  おおとり
→トランプとアベの関係をズバリ。

腹心の友としっかり目で合図      一志
→加計問題での国会喚問の猿芝居

アメフトの選手が語る真の目      八金
→本当のことを言った青年の目の印象。

証人の眼は口ほどにものを言い     乱鬼龍
→「口はウソ眼だけ……」など、同趣旨の句が3句あったが、中でもこれがいい。

気がかりは世間の目よりネット評     春うらわ
→ネット社会の異様さに気づかされる。

目隠しをマスコミにさせ連れて行く    笑い茸
→真実を見えないようにされている。

口はウソ眼だけほんとのことを言い    一志
→「証人の眼は口ほど……」など、同趣旨の3句からこれを選んだ。

五月三日眼出し帽を忘れるな       白河真舟
→五月三日は、未解決の朝日新聞記者襲撃の日。犯人は目だし帽をかぶっていた。この事件を忘れてはいけないと。

目に涙ためて帰って行くジュゴン     笑い茸
→全生物の受難。こころに迫る。

大人にはもううんざりと二十歳の眼    乱鬼龍
→2点句の「人の目をしていた……」と同趣旨。「うんざり」が強い表現になっている。

ドラマなら二時間あれば目処が立つ    りんた
→つくづく共感。うまい。

官邸前怒りに燃える眼が集う       乱鬼龍
→「目が集う」としたところが、表現として素晴らしい。

目覚めれば富国強兵明治から       ビタミン和子
→よく戦後〇十年というが、吉田松陰の『幽囚録(ゆうしゅうろく)』を見ても、明治からということが分かる。安倍のやりたい明治150年記念もその路線。ズバリご用心。

これを見ろ無かったはずの記録類     かぼす(おりじゅん)
→モリカケ文書問題を「これを見ろ」と時代劇風に表現。

一億の目ン無い千鳥どこへ飛ぶ      やせ蛙
→「めんない千鳥」は戦前の流行歌でもあるが、西日本での目隠し鬼のこと。国民が目隠しされてアベを支持していることをさしているのか。味のある句。

◎乱鬼龍選
どんな目にあってもアベを守らされ    芒野
ウソの数増えた分だけ眼が泳ぐ      一志
これを見ろ無かったはずの記録類     かぼす(おりじゅん)

※選外(30)

火脚来る眠れる獅子よ早よ起きよ
全ての目アベの悪事を見抜いてる
審美眼政治に関して日本は無
踵にも目がある安倍の粘り腰
マスコミが見せないものを魅せてやる
凍土壁は眼中に無い汚染水
国体維持北の目的ただ一つ
世界の目くぎづけさせたキムとムン
何台の監視カメラがあるんだろ
闇を闇感じぬ日本の目の暗さ
見下したせせら笑いを睨みあげ
99パーセントを見ないですますアベ政治
負けないぞ眼差しだけで勝ちたいね
目から鱗忖度社会は世界にも
辺野古基地目にはいらぬ日くる祈り
沖縄の視点無視するヤマト人
初孫を目に入れやはり痛かった
モリカケに目が無い総理舌足らず
アメリカの目線気にして民を無視
証言の目は口ほどに嘘を言い
目には青葉生のカツオは食べられず
大阪のおばちゃん目指す人見知り
うろつけば目を付けられてしょっ引かれ
トランプ坊今に世界にメッとされ
目を覆う暴言放言ウソの国
近視眼イマの政治家自己利益
目に物を見せてやりたいことばかり
上ばかり見て官僚の三白眼
アベくんも子供の目にはただの人
福島の廃炉の行方まだ見えず

自由吟(64)

●6点句(1)

圧力が対話に負けてうろたえる     なずな
→擬人化がうまい。安倍の外交政策の破綻をずばり。

●4点句(1)

会ったことない人ばかりお友だち    斗周
→SNSのと安倍のいかさま答弁とをかけているのか、いかさま答弁とすれば、それを巧みに衝いている。両方にとれて時代を表す句。

●3点句(2)

高プロが潰してこいと追いつめる     奥徒
→アメフトとうまくかけている。擬人化の妙。

同胞に通訳いらぬパンムンジョム     八金
→時代を描いた秀句。短い中に、さまざまなことを表現している。

●2点句(5)

真実は記憶にないが嘘は湧く       かぼす(おりじゅん)
→「湧く」としたところで、広がりが出た。「つく」「いい」では、おもしろくない。

朝刊を開くたんびの虚脱感        乱鬼龍
→「虚脱感」に対して賛否さまざま。本気で活動していれば、こう思うということで。

ちゅら海のサンゴ静かに死んでいく    白眞弓
→サンゴはしゃべらないけど「静かに」が、海の底の情況を現わしている。

だれからも喜ばれぬに喜寿となり     やせ蛙
→微妙な心理をうまく表現している。

銃規制やらない国が核規制        白河真舟
→言葉のリズムがいい。ズバリ、アメリカのユダヤ資本、ネオコンのこと。

●1点句(16)

誰とでも会うと言っては戸を閉める    斗周
→会うわけないことを見抜いて。過労死家族とも、ICANとも会わなかった。

最低の人が居座る最高位         斗周
日本のいたるところで……。最低と最高の言葉を並べた面白さ。アメフトのように即刻処分しなければ。

飢えてる子いるのに私苦食する      里見羊
→世界では飢えている子もいるのに、自分は苦しんで食べている。そして飢えた子を想う。「苦食」という言葉は日本語にはないような……。造語。

忖度が逆走してる人の道         木根川八郎
→人の道に反する政治家のなんと多いこと。誰に対する忖度なのかを問題にしている句。

脱獄囚国民栄誉あげたいな        やせ蛙
→権力の網を潜り抜けた彼にエールを送りたい。

こき使う疲れて壊れ棄てる法       おおとり
→推敲(整理)の余地があるけれど。こき使うのは上司、疲れて壊れるのは労働者。棄てる法をつくろうとしているのは政府。

セクハラ罪あれば刑務所不足する     一志
→今まで表に出なかったセクハラの多さをいっている。

兵隊が勝手にやったと上は逃げ      かぼす(おりじゅん)
→アメフト問題に日本軍がダブったことをうまく表現している。

梅雨しとど忘れてないか汚染水      乱鬼龍
→「梅雨しとど」と美しく発句し、現実をズバットいう。川柳的である。

分断の罪は日本に思う今日        なずな

名コンビ暴言男とホラ男         かぼす(おりじゅん)
→暴言と嘘つきの二人が国会を混乱させている様子。少し可笑しい。

紫陽花も負ける政官七変化        乱鬼龍
→川柳には、このようなかろみもあっていい。「げら」っとしたり、「くす」っとしたり。

首相落つ昔ヨッシャで今イイネ      りんた
→田中角栄の五億円で首相の椅子追われ、今は……。

実行の若者いつも使い捨て        芒野
→高プロもアメフトも大人の責任を感じた。

すぐ落ちる鳥がここにも巣を作り     奥徒
→オスプレイを鳥に例えるのも、マンネリ化だが、よくまとまっている。

積極的平和の人が蚊帳の外        一志
→その通りという句。もう少し……。

◎乱鬼龍選
真実は記憶にないが嘘は湧く       かぼす(おりじゅん)
圧力が対話に負けてうろたえる      なずな
同胞に通訳いらぬパンムンジョム     八金

※選外

自殺出す昭恵夫人に呆れ果て
戦死たち仇うてぬが忘れない
厚木基地厚木市内にありません
殊勝無き安倍心臓の首相クビ
オスプレイそこどけ邪魔と空覆い
隠してる嘘をついてる逃げている
並べたりウソ八百の保身術
セクハラがどこまで続く海外も
お宮さん神の数だけ金いるよ
品川区品川駅はありません
夫婦して国を私物化アベノミックス
目黒駅目黒区内にありません
違憲なら掲載すべしと意見せよ
ゲスだらけ国のトップの真似をして
そこかしこ旧軍思考蘇り
監督と総理見習えこの青年
しらじらしセクハラ罪はありません
猛進は妄信よりも救いあり
盲信と猛進背負う二十歳
貧困国先進ニッポン非認識
高プロも生活保護も厚労省
ギネス級世界一だよ面の皮
本当に解体しておくべきだった
ポスト見た税納付書が忘れずきた
信じるな天気予報とアベシンゾ
国益の国とはだれのことですか
出勤の確認が来る授業中
無い知らぬ膿を生む親道教え
アメリカの核の脅威はどこ行った
タックルの命令いつも官邸は
理不尽へ敏感になる腹の虫
嘘つきとフェイクの国に誰がした
日大と政府に学ぶ危機管理
この国は法律さえも安倍目線
辞書からも消えてしまった矜持の項
セクハラもひらきなおって罪じゃない
八割嘘のモリカケ食べる安倍支持者
革財布奪われた命忘られる
ジェンダーギャップ4つの視点でも日本下位

(報告:白眞弓)