2019年11月句会報告

■11月句会報告■
 11月28日、レイバーネット川柳班月例句会が池袋のエポック10(としま産業振興プラザ3F)で開かれました。今回は、18人の方から兼題「虫」に45句、自由吟に49句が寄せられました。句会での選句参加者は7人、メールでの選句は5人、計12人で選句し、兼題・自由吟ともに一人3句ずつを選びました。2019年最後の句会は全六句選ばれた奥徒さん、初投句者の三点句などがあり盛り上がりました。

(報告:笑い茸)

■句会報告■
兼題「虫」(45句)
●4点句(3句)
虫食いの暇も与えず廃棄する       斗周
⇒花見の参加者名簿の素早い廃棄を「虫食いの暇」にしたのがおもしろい。シュレッダー内閣とも言われている。
サクラにはミツバチだけが寄って行き   中仁也
⇒同想の句が多かった中で、これが最も川柳的。花見会をうまく詠んだ。
腹の虫収まらぬまま年の暮        奥徒
⇒まさにその通り、モリカケ以来、ずっとモヤモヤのまま。ことしもあとわずか。腹の立つことの多い一年だったね。
●3点句(1句)
川柳を吐いても疼く腹の虫        すなふきん      
⇒川柳人の怒りがよくひょうげんされている。同感、すっきりさせて。
●2点句(6句)
一寸の虫も巨悪へ針を向け        奥徒
⇒そうだ、その意気。針が効いている。
弱虫が声を上げたねユニオンで      一志
⇒「弱虫がたった一言小さな声で あなたが好きよと言った晩」という都々逸を思い出しました。どちらも勇気がいります。
放射能虫も殺さぬ顔でいる        乱鬼龍
⇒放射能を顔と表現しているところがおもしろい。
汚染地図知らず群れ飛ぶアキアカネ    すなふきん
⇒トンボは何も知らないが、二〇㎜の放射線を子どもに当てても安全だと、無理に自分に言い聞かせている福島の母親たちのことが思い浮かぶ。 
囲まれて虫も出られぬ理工大       芒野
⇒この句で誰もが香港で起きていることだとわかる。
民主主義あちらこちらを虫が食い     奥徒
⇒平凡ではあるが素直。
●1点句(8句)
政権を虫食むおごり民不在        木根川八郎
政界に虫の好かないやつばかり      乱鬼龍
⇒平凡だがわかりやすい。
国会のゴキに効かない殺虫剤       一志
民主主義捨てていいのか虫の息      笑い茸
⇒危機感がぴったし。
リハビリへ尺取虫に似た一歩       かずさ紀柳
⇒病を得た身にはよくわかる句。
議事堂でにやにや野次る寄生虫      笑い茸
⇒平凡だがあの顔が見えてくる。
虫けらと言われながらも抗議する     芒野  
⇒おれたちは虫けら扱いさ。だけどな。
眼の中でドローン飛び交う飛蚊症     混沌

●乱鬼龍選
虫食いの暇も与えず廃棄する       斗周
サクラにはミツバチだけが寄って行き   中仁也
腹の虫収まらぬまま年の暮        奥徒
                    
●選外
品格が苦虫を噛む総理やじ
公金の蜜に群がる談合虫
まんじゅうに群らがる原子力の村
餌たっぷり獅子身中の虫惰眠
戦争は虫も殺さぬ顔で来る
安倍夫妻虫の知らせを聞いており
任命責任獅子身中の虫下し
九条を武器にせっせと 蟻さんと
上級の国民以外虫けらか
虫けらと断じた民に返り討ち
虫一匹五分の魂うしなわず
朝礼の澄ました耳に腹の虫
霞が関背広きた虫スクランブル
虫の息炎上してもチャレンジャー
句会からてんとう虫のサンバ曲
宿主と寄生虫とがやる政治
五分だけじゃないぞ我らの魂は
桜散れ獅子身中の虫騒ぎ
ひありとす虫の大群上陸だ
観桜会金食い虫のおもてなし
虫下し飲んでも効かぬ腹の虫
身の丈で生きよと侮蔑許すまじ
参戦を虫が知らせる安倍改憲
腹の虫おさまらぬ日々耐えて生き
血税と笑顔バラまき花見会
安倍首相桜祭りで虫の息
虫の息日出ずる国は腐りかけ

自由吟(49句)
●4点句(1句)
ついた嘘これは歴代ぶっちぎり      笑い茸
⇒普段使っている言葉で言い切っている。ぶっちぎりが効いている。                                
●3点句(1句)
長州の花見はいつも江戸でする      J・ポンド
⇒ちょっと諷刺が効いて、川柳らしい句。
●2点句(8句)
花の宴ウソ八〇〇を掻き集め       奥徒
⇒アベ政治はウソだらけ。
越後屋がサンキューと言う英語試験    奥徒
⇒民営化受託予定業者だったベネッセを越後屋に例えた発想がいい。しかも「サンキュー」と英語で礼をいう所は、心憎いサービス。
即位して身分差別を象徴し        中仁也
⇒天皇制は差別の根源。象徴とは身分差別の、という発想がいい。
関心を持たぬ自由が首を絞め       蘭綺麗
⇒それもまた自由という定義が皮肉で、その通り。
火消し役どなたが次のエリカ様      蘭綺麗
⇒たくさんリストに載っているのでしょうね。
見本市ぶきみな国へまっしぐら      祐民
税金をサクラに注ぐ花見酒        奥徒
⇒同想句が多かったが、川柳的にはこの句がいい。
催涙の雨の香港とめどなく        芒野
⇒英国の植民地から脱した香港はどこへ行くのか。
●1点句(11句)
貧民を虫ケラ扱かい文科相        八金
飛んだヤジ拾いアタフタ官庁街      白眞弓
⇒アタフタがおもしろい。
バンザイを聞いて震える民がいる     一志
⇒日本にバンザイが溢れている。この民はアジア人のこと。
大嘗祭ただのおっさん神になる      一志
⇒同想の句がいくつかある中でこの句が川柳らしく軽やかで風刺が効いている。
芸術に圧力かけて武器展示        蘭綺麗
ヒトラーマルコス悪いとこどりアベ夫婦  芒野
⇒悪いとこどりの顔が重なって見えておもしろい。
官邸前怒り新党立ち上げよ 乱鬼龍
棺から弔問客の腹を読む         木根川八郎
⇒フッと笑える。
大河より安倍の火消しの役が来る     乱鬼龍
⇒大河ドラマから疑惑火消し役の白羽の矢が立った。生け贄。
お花見疑惑運よく逸らすエリカ様     かずさ紀柳
⇒ストレートさがいい。
即辞任本来ならばと評論家        斗周

●乱鬼龍選
花の宴ウソ八〇〇を掻き集め       奥徒
見本市ぶきみな国へまっしぐら      祐民
ついた嘘これは歴代ぶっちぎり      笑い茸

●選外
れいわのよ大雨台風で幕を開け
武器見本市響く平和の大合唱
血塗られた家系の果ての代替わり
法王の主旨が煙たい核保有
気候危機叱らずチコちゃんボーッとし
桜見る名簿出せない功労者
身の丈にあわせ稗粟喰っている
おい安倍よ公選法を知ってるか
最長と最強兼備で手柄なし
安倍疑惑目を反らせさす麻薬所持
賂でスーツ仕立てる小判鮫
我が国の象徴とかという人柱
やばい時ハイとセレブのスキャンダル
税金でパレードティアラ神ごっこ
七重八重桜と共に散れ長州
なぜ今か韓流ドラマ競う局
おん列の真ん中天皇キョロキョロと
人間宣言どこに投げたか神仕様
身の丈に合わぬ大臣サビまみれ
共食のあとはベッドでお楽しみ
お花見に話題まかせて裏悪法
歩行者を品定めする六地蔵
知らぬ振り役者のようにふたりして
本来が本来ならば終わってる
お仲間のさくらもいっぱい桜見る会
私人から推薦枠もありました
泡の海総活躍を処理しかね
税金で自民パーティ飲み放題
以上