2020年9月句会報告

9月句会は、9月25日(金)エポック10で開かれた。出席者は8人でメール選句は5人だった。
兼題、雑詠あわせて20人・108句の投句があったが、この日は出席者も事前に選句して参加した。ディスカッションの時間を多めにとるためだった。
句会には、川柳作家の植竹団扇さんが参加し、ディスカッションが大いに盛り上がった。講評で団扇さんからは厳しい指摘もあった。
「きょうはいい句がたくさんあって、よかった。ただ時事吟のおちいりやすい問題点もある。言っていることが正しいだけではだめ、まじめすぎてもだめ、言いすぎてもだめで、頭が固まってしまう。着眼点はいいがもう少しひねったらいい句になると思う。川柳はどうつくるか、どうひねるかがポイントでそれではじめて『文芸』になる。その点、『八年目プロンプターが故障する』はうまい。安倍のこと、病気ことなどの言葉を一切使わず、プロンプターの表現で安倍退陣を描いている」。
ディスカッションでは、実際に句をつくりかえたりして、学んだ。17音字の中に意味がダブる表現を削ること、順序を入れ替えてみること、など実践的アドバイスに富んだものだった。
情報交換では、『救援川柳句集』がまもなく発刊されること、11/21〜22のレイバーネット合宿(SCATセミナールーム毛呂分室)には川柳班としても企画持ち込みで参加したい旨の報告があった。

(報告=一志)

 

●兼題 「浮」54句

<6点句>
・溺れても浮輪も投げぬ自助努力(奥徒)
→「浮輪の句が多かったがこれが一番いい」「スガの冷徹さが出ている」「今の政府のやりようをズバリと」

<4点句>
・二つ三つ名句浮かんでくる湯船(やんちゃん)
→「句の形がいい。とぼけた味が出ている」

<3点句>
・投げられた浮輪に重い消費税(すなふきん)
→「消費税がストレートだが、浮輪の句ではこれがよかった」
・非正規は浮かぶ瀬もなく当てもなく(奥徒)
→「コロナによる雇用不安定化には早く政府が手を打たねば大変な事になるのだが」

<2点句>
・安倍辞任モリカケサクラ宙に浮く(茫野)
→「そのとおり」
・廃プラで太平洋の魚浮く(白眞弓)
→「廃プラ公害の深刻さ」
・浮かれ顔マスクが隠す新総理(八金)
→「実は、心底喜んでいる」「ジッと待っていた、この日を」
・助けての声の所持金107円(いりたまご)
→「現実の今を描いている。ただ浮の兼題が入っていない」
・浮かぬ顔一夜明けたら浮かれ顔(祐民)
→「何を指すのか不明も、川柳として面白い」「浮かぬ、浮かれ、の対照がおもしろい」
・流れ寄るむかし椰子の実いまプラゴミ(坂巻フミエ)
→「海が壊されていく様が伝わる」

<1点句>
・総辞職聞いても心浮き立たず(茫野)
→「そのとおり、打倒したわけじゃないし」
・正直に言ったら急にしんとなり(笑い茸)
→「会議などで素直に発言したら浮きまくる経験私も有ります、状況が目に浮かびます」
・不人気のカード浮上にまた税金(奥徒)
→「令和おじさん以来、菅の宣伝のため代理店にどれほどの金が流れたのか」
→「海洋汚染の深刻さを冷静に詠む」
・顔代えて軽佻浮薄受け継がれ(蘭綺麗)
→「どの顔ぶれも軽々しくて頼りない」
・マスコミも浮足立って菅に乗る(なずな)
→「メディアの在り方にも問題」
・国民の下僕の筈が殿になる(里見羊)
→「議員は別つに偉くないのに、平議員すら威張りたがる」
・マスクせずスマホも持たず浮いてます(一志)
・浮かぬ顔今朝もラッシュに拉致される(乱鬼龍)
・考える葦編み浮輪繋ぎ合う(すなふきん)
・助けると投げた浮き輪の針の穴(白眞弓)
・検査せよ日本の浮沈ここにあり(いりたまご)
・浮かぶ瀬を掴まずもがく野党かな(木根川八郎)
・スガ浮上アベの腐臭の蓋として(白眞弓)
・プラごみを浮かせ黒潮照らす月(笑い茸)

<乱鬼龍選>
・溺れても浮輪も投げぬ自助努力(奥徒)
・二つ三つ名句浮かんでくる湯船(やんちゃん)
・スガ浮上アベの腐臭の蓋として(白眞弓)

<選外句>

<選外>
浮草にコロナ解雇の我が身かな
宙に浮くモリカケ桜エンドレス
棚牡丹に一人浮かれる総理菅
浮き輪なくジシュク泥舟アップップ
新総理悪が浮いててかわりなし
世直しへ一票一揆 浮動票
浮雲は浮草よりも楽天家
自助共助浮かぶ瀬ありやワープアに
浮上などできないほどの格差あり
派閥という沼にオニバス物をいう
浮かぶのは涙だろうか目だろうか
コロナ恐慌やがてリニアは宙に浮き
できレース民主主義が宙に浮く
泳ぐ前浮き輪ほしいと新総理
カネ仕事彼女もなくて浮かぬ顔
若づくり鏡に浮いている笑顔
石頭空気読めずに浮き上がり
スガ政治冷たい顔が浮き上がる
最長の浮き名モリカケハナミです
コロナ禍で浮き草となる労働者
九条愛し謳うわたしの浮く土壌
浮浪者と呼ぶなかれ放浪詩人
ウキウキと強権振るう準備する
ご祝儀で歯の浮くようなヨイショする
浮かれても官房長にしか見えぬ
墨塗れば塗る程クロのあぶりだし
国民の為と歯の浮くお題目
甘い罠浮いた心に忍び寄る
八年も責任浮かし逃げ切りか
総裁選イジメごっこが浮き彫りに

●「雑詠」54句

<5点句>
・八年目プロンプターが故障する(今明)
→「うまい、病気の安倍といわずプロンプターに象徴させたところがいい」「使い過ぎたね」「コピペその他、穿ちが面白い」

<4点句>
・貧困と格差の果ての自助努力(奥徒)
→「果ての、が効いている」

<3点句>
・総理の座トリクルダウンやっと来た(蘭綺麗)
→「トリクルダウンのことばが効いている」
・自助党にやるな政党助成金(一志)
→「自助党が新鮮、怒りに共感」「国民にまず自助というなら党運営も是非その順で、税金を使わないで」「ズバリ!」

<2点句>
・なおみに拍手黒いマスクになお拍手(かずさ紀柳)
→「破調だがリズムがいい」」
・タタキアゲ自助まっさきに叩き込む(なずな)
→「タタキアゲ、叩き込むのリズムがいい」
・コロナから見えた地球と資本主義(乱鬼龍)
→「たしかに世界の矛盾や国ごとの違いがみえてきた」
・お友達公助の甘い汁を吸い(奥徒)
→「コロナでもみえみえ」「アベ友スガ友たちはどうして手数料をたくさんもらえるの」
・巣鴨なら売っているかも赤マスク(一志)
→「おもしろい。実際に売り始めるかも」
・デジタル庁個人機密を握るため(白眞弓)
→「本質をずばり」」
・菅内閣早や退陣の日が待たれ(乱鬼龍)
→「みんなの気持ち」

<1点句>
・まずは自助中身はスカスカ新総理(祐民)
→「菅の名前を小気味良く。「は」は無い方が五七五に」
・全身で差別の重さ打ち返し(奥徒)
→「大阪なおみ、素晴らしい」
・検査せず旅と外食させる国(いりたまご)
→「政府方針が矛盾しまくっていて収束する気がしない」
・ドミノ式総裁戦の茶番劇(八金)
→結局は派閥の力関係、上五がよい
・凛として七つのマスク差別NO(八金)
→「上五の凛として、がなおみ選手の姿勢を表す」
・楢山に参れというかウイズコロナ(すなふきん)
→「老人人口減らし(楢山へ行く)をGO-TOと、コロナで達成しようとしていると皮肉る」
・GOTOで広がる感染増す不安(やんちゃん)
・勇気とはこういうものとマスク言い(なずな)
・幕引きに国民視線突き刺さる(祐民)
・処分法ぼかして応募の退路断つ(坂巻フミエ)
・九条の行間守り密になる(すなふきん)
・ポイントと割引で釣る菅政治(なずな)
・二代目に爺さまが成る代替わり(J・ポンド)
・コケたとてモリカケサクラ忘れんぞ(今明)

<乱鬼龍選>
・八年目プロンプターが故障する(今明)
・タタキアゲ自助まっさきに叩き込む(なずな)
・勇気とはこういうものとマスク言い(なずな)

<選外>
どこからも首相公選論でない
苦労人おれのことかと寅さんが
人事盗り官吏言いなり菅政治
アベ辞任辞めればただの犯罪者
国民のため働くとは恐れ入る
七福神乗せる漕ぎ手の貧乏神
コロナクビ言ってた上司真っ先に
機密費に群がるアリを喰うアリクイ
暗い世に明るい政治期待する
マジシャンよ民の洗脳解いてくれ
検査ならホストになればできるのか
核兵器禁止を亡き者とする被爆国
何様のつもり談話で跡濁す
純白は無実のあかし慰霊祭
労基法守れと言えば逮捕させ
真珠湾先に攻撃もう無しに
麦秋の季に鳴きやまぬジーシュクシュク
自助共助だけど公助はクレッション
民営化売却先は米ですか
ヒト不在カネとリケンの世が続き
アマビエも連れて一緒に旅行する
安保法敵地攻撃喋り出し
韓国なら辞めたらじきに逮捕だぜ
コロナに熱波更に気だるい永田町
整形をしても自画像描けぬ党
検査せずコロナじゃないとする日本
国政のマエへナラエにソッポ向く
雷神の虎のパンツは吊るし物
原発を避けて堕ちるかオスプレイ