10月句会報告

 10月7日(水)池袋のエポック10で、レイバーネット川柳班10月句会が開かれました。
 参加者は8人。いつものメンバーに加えて新しく3人が参加し、活発な句会になりました。
 投句は14人、うち3人が初参加でした。

 兼題「水」と自由吟を各自3句ずつ選びました。

<水>
○4点句
 ・加害国水に流せと火を注ぎ       混沌
   →水と火、対比の妙。

 ・溶け落ちたあの焼け石に水をかけ    奥徒
   →デブリのこと。比喩がおもしろい。焼け石ではないのでは?

○3点句
 ・お土産に水漬く屍国連へ        十四松
   →安倍の売国性をつく。ブラックでうまい。

 ・水害で逃げた避難所水がない      なずな
   →ブラックユーモアでおもしろい。川柳的。

 ・濁流が治山治水の嘘暴く        乱鬼龍
   →そのとおり。よくわかる。

○2点句
 ・汚染水村では汚染見ずと読む      中仁也
   →なるほど。「見ず」はカナにした方がよくはないか。見て見ぬふりの意、「見ず」でいい。

 ・雨の夜水に流せぬ戦争法        芒野
   →法成立のときの情景、気持ちが出ている。きれいにまとめた。

 ・流しても便器に残る無責任       笑い茸
   →トイレにたとえた面白さ。安倍、原発、さまざまな事柄が浮かぶ。

 ・戦争熱さます冷や水どれくらい     十四松
   →熱と冷や水の対比がいい。時代の危機感。

○1点句
 ・水を得た魚のように部隊長       奥徒
   →ヒゲの大佐のこと。

 ・気がつけばこっちの水も甘くない    やせ蛙
   →この世の中、どこにいっても世知辛い。

 ・水の星砂の星へと変わりゆく      なずな
   →スケールが大きい良い句。

 ・いかり水低きに流れデモの海      中仁也
   →水、流、海のつながりがいい。

 ・水害に地震火山に安倍政権       芒野
   →暴走政権の激甚災害ぶりをうまく詠んだ。

 ・汚染水三途の河にダダ漏れる      乱鬼龍
   →どこに行ってもついてまわる。

 ・水クダサイ叫びの果ての汚染水     斗周
   →絶望の極み。痛切、残酷さが伝わる。「クダサイ」のカタカナがいい。

 ・羊水の海で叫ぶ反安保法        白眞弓
   →お腹の子も国会前で叫ぶ。定型になっていない。整理したら良い句。

 ・水くれと逝った兵士は眠れない     一志
   →戦地で亡くなった兵士のおもい。

 ・せせらぎも洪水ももと一しずく     斗周
   →水のもつ普遍性を感じさせる。そのままで、ひねりがない。

 ・弾圧を聞く雨の夜の肌寒さ       芒野
   →国会前デモの実感。「水」を「雨」で詠むのは疑問。

★乱鬼龍選
 ・加害国水に流せと火を注ぎ       混沌
 ・水くれと逝った兵士は眠れない     一志
 ・溶け落ちたあの焼け石に水をかけ    奥徒

△選外
 ・火星まで汚染ない水汲みに行く
 ・清水の舞台飛びおり藁つかめ
 ・PKO水補給から核補給
 ・見えないぞ水没したのか国会は
 ・亡国は火攻め水攻め金で攻め
 ・あわや事故かいた冷汗搾られる
 ・ゼネコンに水の哲学などはない
 ・水は低所金は高所に集まる理
 ・アレルギー洗い流そう水のよに
 ・水害で軍用ヘリの株を上げ
 ・あす給料水だけ飲んで飢え忍び
 ・重い荷の駱駝にはあるオアシスが
 ・水道水飲めない水に誰がした
 ・水の国汚染の二文字加わって
 ・清流のごとき気持ちで連合政府
 ・台風の雨で広がる汚染地図

<自由吟>
○3点句
 ・報せない自由もあるとNHK       笑い茸
   →安倍流のへりくつ。NHKが言いそう。

 ・留置所も番号だけで呼ばれてた     一志
   →マイナンバーの恐ろしさ。一億総監獄化。

 ・令状は赤いメールで来るのかな     斗周
   →赤紙をうまく現代化。「令状は」は「招集は」のほうがわかりやすい?

○2点句
 ・顔のない安倍があちこち歩いてる    十四松
   →安倍に盲従する輩が闊歩する。ネットにもたくさん。

 ・総活躍1億火の玉過労死だ       十四松
   →戦前の国策スローガンをもってきて今日性を出すおもしろさ。「過労死」は、はっきりしすぎ。

 ・派遣され仲間は手が飛び足が飛び    へらずぐち亭誤字脱字
   →鶴彬の句を連想させる。派遣労働と戦争を重ねたところがいい。

 ・国民の責務不断に怒ること       なずな
   →確かにそうだ。憲法12条(不断の努力)を想起させる。

 ・辞めさせず社員にさせず急に首     笑い茸
   →こういう扱われ方をしている。オチのつけ方がいい。

 ・助手席に乗ってブレーキ踏めぬまま   奥徒
   →公明党のこと。今の政治状況にぴったりの比喩。

 ・戦争法民主主義まで連れてきた     なずな
   →ヤブをつついてヘビを出すたぐいか。フツーの人が目覚めた。いまひとつ、表現に工夫が必要。

 ・福山に騒ぎ福島忘れ果て        斗周
   →タイムリー、川柳的な批判精神を発揮。

 ・一写入魂歴史刻んだ菊次郎       乱鬼龍
   →福島菊次郎の追悼句。「一写入魂」がいい。

〇1点句
 ・味をしめ解釈変えて徴兵制       へらずぐち亭誤字脱字
   →味をしめ、何度もやりそう。

 ・チャップリンが演れば真実こぼれだす  白眞弓
   →映画の中の素晴らしい演説が目に浮かぶ。

 ・テレビより議会で磨く芸の道      いの
   →山本太郎議員のこと。国会でのパフォーマンスがすごかった。

 ・矢は飛ばずウマく飛ぶのはヤジばかり  中仁也
   →頭の否定形の断定がいい。ウマく飛んでいないのでは。

 ・戦争法かげで派遣が殺される      なずな
   →犠牲者は戦争に行く人ばかりではない。戦争法に隠れて派遣法が通ったことを詠んでいる。

 ・一億で一緒に行こう地獄まで      一志
   →もろもろ一緒に地獄ゆき。

 ・オギャオギャ番号付いた赤子です    一志
   →マイナンバーで赤ん坊まで監視下におく政府の悪巧み。

 ・支援切るくせに武器庁新設し      芒野
   →生活保護を切って武器庁を作られてはたまらない。フクシマのこと?

 ・ご自分の家庭守れず国防説く      やせ蛙
   →安倍、田母神などのこと。

★乱鬼龍選
 ・留置所も番号だけで呼ばれてた     一志
 ・総活躍1億火の玉過労死だ       十四松
 ・令状は赤いメールで来るのかな     斗周

△選外
 ・この次は選挙行ってね子ども言う
 ・靖国で会おうと交わす酒の席
 ・良識をすてて議員はかまくらに
 ・天職をブラック企業でたった3年
 ・駆け付け警護地獄の沙汰が駆け付ける
 ・地獄への道は教祖の口封じ
 ・うら側で戦争したいと駄々をこね
 ・恥さらしのたうちまわって生きている
 ・平和の党お鉢奪った共産党
 ・まな板の鯉にはなれぬ痛がり虫
 ・川内を汚染だいにはさせまいぞ
 ・隠してた四本目の矢ハイルアベ
 ・今回の一億老人ばかりなり
 ・再稼働沖縄以北玉砕し
 ・子の未来預かりますと靖国社
 ・軍国の日本を取り戻す闇
 ・川柳で笑って渡る三途川
 ・戦後史が問われ私もまた問われ
 ・十八の瞳に映す九一九

(報告:なずな)