2016年2月句会報告

2月23日 川柳班句会の報告です。出席者は9人で事前選句は3人でした。

越前海月さんの選句は句会終了後になりましたが、その分を報告に加算しました。

計13人の方が選句したことになります。課題の「口」のほうは、選が分かれましたが、自由吟のほうはひさびさに5点句が2句もでました。また新しい投句者も増えました。ドイツの独狼さんも常連になりました。

なお、斗周さんからは「今回、全体に字足らず、字余りでリズムを崩した句が多いと感じました。川柳のリズムについて、もっとPRする必要があるなと思います」の声も寄せられましたが、同感です。基本的に定型(5・7・5)を守ることが大事でしょう。

●三点句
・口あいて五臓六腑の無知晒す         乱鬼龍
大臣らを批判。「五臓六腑」の表現が面白い。

・アルプスの穴開けてまでリニア線       温空(乱鬼龍選)
スケールの大きな句。口という題でこの発想いい。アルプスの→アルプスに、のほうがいいが、非常にいい句。

●二点句
・口利きと利権なければ与党なし        なずな
そのとおりでわかりやすい。

・復興も除染も所詮もうけ口          乱鬼龍
ひねりが足りないが本質

・民主主義言えばカメラで監視され       温空(乱鬼龍選)
九条で注意される時勢を描く

・口のないノッペラボウが大進軍        やせ蛙
黙られされている大衆が表現できない事態が進行。ノッペラボウと大進軍の表現がいい。

・戦争へ向かう日本の宵の口          茫野
そういう雰囲気あるね。宵の口がいい。もうそばに迫ってくる感じ出ている。

・開いた口安倍政治ではしまらない       里見羊
狂句ふうが面白い。

・口利きのあまり最後は金目でしょ       中仁也
甘利と金目をうまくまとめた。かけことば。

●一点句
・世渡りに脳みそ不要口必須          無位史膳
そのまま。

・秘書の舌ようかんの下袖の下         中仁也
狂句ふうがいい。

・物陰でささやく口に民意あり         無位史膳
そういう時代になってしまった。

・暴言は緩んだ口に出る本音          奥徒
標語っぽいが、よくまとまっている。

・脚よりも口が達者でウォーキング       斗周
脚でなく口でウォーキングがいい。

・物言えば不満が口つく生活苦         しゃねる
いまの社会状況とらえている。中八なので一字とって「不満口つく」でいいのでは。

・ハボマイも口ごもってる北方相        織淳
大臣批判を「口ごもる」に表現。

・甘い利を欲しいポッケが口を利き       奥徒
ダジャレではあるがマンガ的で面白い.

・スマホなし歩くクチコミ手にチラシ      一志
モデルは乱さんのことではないか、という声が多かったが、作者がモデルにしたのはわかち愛とのこと。

・禍は口から始まり辞任劇           しゃねる
口が災いの元をうまく読み込んでいる。

・俺パンツあいつ口利きどっちワル       一志
パンツを盗んだ破廉恥漢の開き直りが面白い

・喰うために謝罪ばかりの社員口        独狼
実情をうまく描いている。「社員口」が日本語として無理があるのでは。

・アベ過ぎる口の先から国亡ぶ         乱鬼龍
「アベ過ぎる」のことばをこの句で初めて知った。言い得て妙ですね。

・行き場ない金の捌け口武器市場        笑い茸
カネだぶりの中で。

・選挙前いつもの手口使います         一志
選挙民へ向けてのご褒美のこと。

・財・政・報異口同音の恐ろしさ        独狼(乱鬼龍選)
電波停止問題など、全ての権力が同じ方向に。

・へらず口へりくつおどしアベ答弁       なずな
アベ答弁を風刺。

・民の口千人針で縫い閉じよ          やせ蛙
「千人針」の時代をうまく使ってこわさを表現。

・生きたままメディア死人に口無し化      茫野

●選外
口々に口出す口の多きかな
属国のタフネゴシエーター口三味線
紅をさす口もと艶の灯がともり
口利きのトップセールス桁違い
預金口座閉じてタンスにしまいこむ
法螺吹きは綱渡りをも「安全だ」
金呼んだ口がほころぶ甘利秘書
憎からぬ人の口から聞く敬語
釈明をする議員の目笑ってる
口ずさむ歌が軍艦マーチとは
放送も電波法で口封じ
口利きは消費税は払わない
税金がふところ手になる口があり
選挙戦出口調査で泣き笑い
アベ子分TPPしながら口利いた
テロ合戦出口どんどん遠くなる
外遊で先に公約して来る災いが
狂乱の株価引上げ出口なし
口を出し呼びつけ停波すると言い
口ほどにまばたき罪の秘密法
口のない民ならめしやる手間はぶけ
バズーカは口に苦しとブラック総裁
“あ”の人の口だけぱくつくテレビ画面
火山ないところに基地で噴火山
拳骨を突っ込もうかね嘘の口
電波法発動前に自己規制

<自由吟 >

●五点句
・いまこのへん昭和年表にらめっこ       一志
現在の我々の姿を見事に捉えて秀逸。「同じ道歩んでいる」感慨のあるいい句。川柳らしい表現。「いまこのへん」の言い方がいい。

・清原が甘利の代打ホームラン         笑い茸(乱鬼龍選)
清原を取り上げたタイミングがいい。醜聞隠しを野球の言葉を使ってまとめた見事さ。

●三点句
・汚職した責任取らずに休み取る        茫野
汚職しても雲隠れで逃げ切ろうとする最悪の政治屋を鋭く批判する姿勢が良い。

●二点句
・電力を選ぶ未来もまた選ぶ          乱鬼龍
電力自由化のこれからを表現。

・危機襲来全会一致の恐ろしさ         奥徒(乱鬼龍選)
北朝鮮の核実験が素材。鋭い句で、平和運動も危機の掛け声に一気に崩される心配ある。課題吟の「財・政・報異口同音の恐ろしさ」と同類の句。「恐ろしさ」と言わずにまとめたらもっとよい。

・この道しかなかった道の先は崖        斗周

●一点句
・テロニュースわくわく見るの武器商人     独狼
皮肉が効いている。

・寿司くいねぇ支持率水増ししてくんねぇ    斗周
安倍がマスコミ親方を接待。面白い。

・辺野古守る人に守らる民主主義        茫野
民主主義をまもる力を感じた。

・撤回はしても変わらぬ腹の中         なずな
こういう人がおおすぎる。

・息すうななにもしゃべるな北京の子      やせ蛙
中国の現状、このとおり。

・舞いあがり歯舞読めずお歯舞か        里見羊
狂句的なおもしろさ。

・矢は飛ばず荒れ野ミクスで腐り果て      中仁也

・プリン体ゼロよりまずい金利ゼロ       奥徒
プリン体ゼロビールは本当にまずい。

・もんじゅ様廃炉招福決めました        わかち愛
「廃炉招福」がずばりでおもしろい。

・命どう宝辺野古の春は不退転         乱鬼龍
沖縄のがんばりがよくわかる。

・本は閉じマクラ木の上夢の中         織淳
のんびりした感じでいい。

・もうそろそろマイナス給与言いそうな     斗周
そうなりそう。実感でている。

・無知無恥と自民太って国滅ぶ         無位史膳
ムチムチ肥ったと言う色っぽい表現を無知無恥に言い換えた皮肉がうれしい。

・ポケットにしのばせてから言う矜持      なずな
甘利批判。

・軍拡を称える人の手話空し          無位史膳(乱鬼龍選)
スピードの今井絵里子を風刺。

・マイナスと解りにくいが減る貯金       岩原茂明
「マイナス金利」のことを「貯金が減る」とわかりやすく表現。

・起きるのもなかなか出来ぬ辛い日々      独狼
たぶんうつの人を表現している。世相も反映。

・25万相場にしたいパート主婦        奥徒
安倍の金銭感覚を風刺。

・一票を入れてみたいなサンダース       笑い茸
米国の注目すべき動きで、日本野党がだめななかでみんなの気持ちを代弁。

・マイナスの金利でいいよ奨学金        一志
奨学金で苦しんでいる学生。いい句。

●選外
「マイナス」にマイナスイメージしか湧かぬ
北の核よりも怖いよバズーカ砲
「アベ過ぎる」JKの中で大流行
若者の様にコールを綴りたい
仮住まい追い立てられる避難民
吸い上げた税金ばらまき支持を買う
意図せずにタカシマと書く悪予兆
マイナス金利カンフル剤で致命傷
わいろには消費税はかからない
たのむから安倍のバイパス閉じてくれ
肩書きのソーリを脱いでここに来い
手話つかいえいりな刃物変わりうる
往きは寝て帰りは読書6時間
平和署名のぼり片手にいくさ場へ
拉致調査打ち切る手順で核実験
幸せで大空見上げて飢え忘れ
我々の歴史を消した徳川ら
国益は甘利の袖に吸い取られ
ドーピング疑惑支持率にもおよび
はめられた卑しい自分省みず
利息など当てにはしないが腹は立つ
免震も耐震もなく再稼働
逮捕待てタイミングこそ出世道
国民の老後資金が株に消え
道真の湯島詣でに歌を詠む
TPPブレナイ議員調印す
安部こわい岡田無意味とマジョリティ
あまりにもヒドい甘利は下衆の極み

(以上、報告:一志)